
デビュー作の『辞めない理由』が面白かったのは、実体験に基づいたものだからに違いないと思っていたのだけれど、今回の『ブックストア・ウォーズ』を読んでそうではないと思った。職場の人間関係のニャチニャチ感を書かせたら、この碧野圭さんが今一番旬な気がする。しかも私の大好きなハッピーエンドだし。
中堅書店の『ペガサス書房一号店』に勤める40歳独身副店長の理子。イマドキの若くてかわいい、しかしだからこそ敵の多い亜紀。二人の険悪な関係を軸に、ペガサス書房一号店存亡の危機を乗り越えようとする物語が、スリリングで面白い。書店モノ好きだなあ。大崎梢さんの成風堂書店シリーズの清潔感も好きだけれど、こんなのも好き。本の並べ方は、やっぱり図書館とは違うけれど、展示やPOPの仕方は参考になるなーと思った。書架の縁から5ミリ出して面をそろえるのが、見た目も美しく、取り出しやすくていいのだそう。私は先輩に、縁から5〜10ミリ下げて面をそろえると教わった。最近は奥行の深い変形本も多いので、面をそろえようとしてもそろえられないことも多いけれど・・・。見た目の美しさは、本を手にとってもらうためにも重要という理子の言葉は、日頃請求記号順に並べることのみにやっきになって、面そろえが後回しになっていた私にちょっと刺さりました。