
花咲慎一郎シリーズの最新刊。“ハナちゃん”こと花咲は、24時間営業の無認可保育園「にこにこ園」の園長で、副業として探偵をやっている。『ブルーライト・ヨコハマ』他3編収録。『ブルーライト・ヨコハマ』と最後の『骨まで愛して』は、既出の『フォー・ディア・ライフ』『フォー・ユア・プレジャー』等を読まなくても楽しめると思うけれど、他2編はキツイ。読んだはずの私も忘れているエピソード満載。『シーセッド・ヒーセッド』を未読なせいもあるか。あとあんまり関係ないけど、10年近く前に雑誌でピーコさんが“なんてイイ男なのっ”と花咲慎一郎を激賞していました。それにつられて『フォー・ディア・ライフ』を読んでいいじゃん!と思い、続編『フォー・ユア・プレジャー』もよくて、しかしデビュー作の『Riko』から『聖母(マドンナ)の深き淵』であんまり好きじゃないかも・・・と思いながら古本屋でタイトルと表紙に惹かれて買った『ワ−キングガ−ル・ウォ−ズ』にうちのめされ、それでも、と読んだ『朝顔はまだ咲かない』は意外によくて『やってられない月曜日』では再びうーんとなった。結論は、柴田さんの描く物語の主人公は男性がいいのではないかということ。女性を描くと、やたら野暮ったく、古臭く感じる。特に会話部分。
新作『ア・ソング・フォー・ユー』は面白かった。ヤクザから借金している為に、ヤクザの依頼を断れなかったり、お世話になっているがために断れない?な依頼があったり・・・。今回も、にこにこ園があるために、堕ちることができないお人よし探偵・花咲慎一郎の魅力を存分に味わうことができる。ただ一箇所気になるところがあった。花咲慎一郎は自分の子どもがほしい、と思ったことはない、という。「自分には、子供の未来まで計画的に支配する自信がない。」からだそうだ。子どもの未来は支配できないし、それに自信があるほうが、子どもにとって迷惑なんじゃ?と思った。