僕はキスで嘘をつく 1  藤間 麗(フラワーコミックス) 久しぶりに少女漫画を読んだ。読んでいてあまりにも恥ずかしくて何度も周りを見渡してしまった。図書室でミステリーを読むのが大好きな高校2年・北園銘子。図書室にはカッコよくて有名な、図書委員・篠田忍先輩、その友人のクールな御子柴京一郎がいつもいる。篠田忍が銘子に興味があるようで、守ってくれたりちょっかいをだしたり。御子柴も、サッカー部同級生・最上も、その後輩・蜂屋も、“なぜか”銘子に気があるようで?!図書室で転寝をしていた銘子にキスをしたのは誰?という、オバサンには耐えがたいほど全身がムズムズする図書館を舞台にした漫画です。第1巻ですが、続巻にはあんまり図書室は出てこないんじゃないかなあという気がする。タイトルだけみて、BL小説?と思ったけれど、表紙には女の子も一応居るし、おや?背後に見えるのは書架??ということで、コミック平台から手に取った1冊。あとは、『コドモのコドモ』全3巻『トンスラ』『ゴンゾウ』『私たちは繁殖している(イエロー、ピンク、ブルー、レッド、グリーン)』『作家の本棚2』『作家の読書道2』などを読む。

 いろんな嫌なことがあっても、生徒の明るさですごく癒される。何気なくグチってしまった一言を自然とフォローするようにふるまってくれたり、そりゃ自分甘えすぎなんじゃ?と思わなくもないけれど、凹み気味だったのを、元気にしてもらった。みんなにもらった愛を返していきたい。
魔王 (講談社文庫 い 111-2) 伊坂 幸太郎 前の学校で、伊坂さんの『魔王』を購入して一度借りられたら、先生に捨てられてしまったという衝撃の事件があった。内容どうこうでなく、卒業時の備品整理みたいな時に、おじいちゃん先生が鬼嫁日記(当時流行ってた)と一緒に処分してしまったのだった。生徒からその話を聞いて、早速先生にどういうことだっと鼻息荒く詰め寄ったら「う〜ん、そんな昔のこと忘れちゃったなぁ」とカサブランカを彷彿とさせる脱力ボケをかまされ、両者証拠不十分で、うまく弁済もさせられなかった。昔って、1週間前のことだったよ?!

 そんないわくつき(?)単行本がやっと文庫化!ウチのトショカンでも伊坂さんは人気。腹話術のように自分の思ったことを他人に話させることができる能力を持つ安藤(兄)。その弟で勘の鋭い潤也。潤也の彼女・詩織。多くの国民を引き付ける犬養。安藤兄は彼にファシズムの匂いを感じている。安藤兄の命を奪おうとしているかのような事件が起き・・・。なんともあらすじの説明が難しいですが、安藤兄や潤也など、登場人物の会話や思索が本文の大半を占めているせいかも。政治に興味があってもなくても、面白いし勉強になると思う。犬養さん、謝っちゃったんだ?というところも・・・。斎藤美奈子さんの解説はネタバレだけれど相変わらずわかりやすくて面白い。青臭いと言われても、若者にはこういうことを考えてほしいと思う。考えろ考える考えろ・・・byマクガイバー

 その他は三浦しをんさんの『乙女なげやり』遠藤周作さんの『砂の城』西さんの『放課後の国』『三番町荻原屋の美人』などを読む。
インターセックス 帚木 蓬生 鉄剤を飲み始めたら、ブラボーと叫びだしたいくらい元気になった。以前は何をするにも、しんどい、苦しいと思ったいたのが嘘のようだ。噂に聞くナニはアレだが、この元気さ加減には代えがたい。

 新聞でも複数紙に書評が載っていた帚木蓬生さんの『インターセックス』。子どもを公園で遊ばせながら読んでいたら、タイトルを目ざとく見つけた近所の子どもに、いやらしーいやらしーと絶叫されて、「やらしくないよ、病院の本だよ、お医者さんの本!」と必死に言い訳した。
 生物的に女性でも男性でもない“第三の性”であるインターセックスを題にとったミステリー。美しい、泌尿器婦人科の医師・秋野翔子は、院長の岸川に請われて、産婦人科を主力とするサンビーチ病院に勤めるようになる。翔子はインターセックスについて造詣が深い。発言の一つ一つが勉強になった。解説のための小説になっている部分もあったような気が・・・。後半、ある人物の死亡事件の謎解きが軸になって、最後は衝撃的な事実が明らかになる。
 産婦人科医師逮捕起訴事件についても触れられ、勉強になった。しかし、お勉強部分にこだわるあまり、小説としてこなれていない気がする。お人形のような翔子が、意思を持たずにフラフラしていた結果、こういうことになりました、という具合いにストーリーが進む。最後のネタばらしだけで終わるのは、なんだかテレビの2時間ミステリーか?という感じ。特に、あの人のあのことが最後に明らかになるところは、まあそうだろうなあという気はしていたけれど、それまでの態度からして、それはその人の関係者に対して不誠実すぎるのではないかと思った。なぜそうしていたのか、理由がよく分からない。葛藤も描かれていない。文句が多すぎるけれど、本当に勉強になったので読んでよかったと思う。(なんじゃそりゃ)
おくりびと (小学館文庫 も 3-4) 百瀬 しのぶ 流行りものが好きなので『おくりびと』『イキガミ』『シバトラ』『悩む力』『グーグーだって猫である』等を読む。

 しつこいのだけれど、除籍について。先日、学校図書館系雑誌のコラムを読んでいたら、僕は学校図書館の仕事はちゃんとやった、除籍以外は。というのが載っていて、猛烈に腹が立ったという背景がある。例えば異動して一番ありがたいのはきちんと除籍してあること。異動しても、1、2年過ごしてみないと図書館の使われ方が分からないから除籍が本当に難しいのだ。そしてその1、2年の間にも本は増える。利用者との関わりを大事にしてくれてさえいれば、レイアウトだの選書だの展示だの図書館を使った授業だのはどんだけやってくれてても、あんまりありがたくはないのだ、後釜にとっては。私だって本が好きだから司書になりたくてなった。本を捨てたがる司書なんていないだろう。でもやらなきゃいけない辛いこと。これをやっとってくれんでエラそうにされても腹立つわけで。

 『グーグーだって…』の大島さんが入院されていた時、白血球数が少なすぎて危険だというところがあって、この間の健康診断で、私の白血球数はそれより少なかった。もう瀕死です。ググると、バナナやヨーグルトが良いそうなので毎日食べよう。何よりそうやってカリカリカリカリしていることがよくないんだろう。どうしたらゆったり穏やかな人になれるのかしら。
ラン 森 絵都 蔵書点検は、やるのも時間がかかって大掛かりだけれども、後処理も面倒臭い。持ってかれてなくなった本のリストを作り、何年も見つからない本は除籍リストを作り、利用のないもの・古いもの・破損しているものを捨ててよいかリストも作る。捨ててよいかリストを作るのが一番大変だ。一度は良い本だと思ったから購入したのであって、そうそうこんなの要らない〜という本はほとんどない。しかし、受け入れている分は捨てないと、書架がキチキチになってしまう。特にシリーズモノは捨てにくい。5巻は利用の形跡があるけれど、他の巻はさっぱり、となると、全部を残しておくのは悔しいが、5巻だけ残すのもキモチワルイ。やたらと何セットもある世界文学全集なんかは、同じ作品を他の本で読めるようなら古いものは捨てる。訳者が違うと味わいも違うとかいう分かり切ったことをしたり顔で言われても、そこまでガッコートショカンに余裕はありませんとリストを通す。この分野の基本図書なのに・・・と言われても、ユングが書いた本だからって全部残してたら新しい心理学の本買えないよ?そもそもユングの本借りる生徒いないよ?大学図書館や公共図書館で読んで下さいよ、そういうのは、と心の中で毒づきながら、もう古くてほとんど破損していますので〜と言って通す。私だけ悪者になるのが、本当に不本意だ。利用者のことを思ってやっているのに、なんで私が言い訳しないといけないんだ。捨てちゃいけないんなら無尽蔵の、そうだ、無限図書館でも用意して下さいよ。いかんいかん、また荒んできた。

 森さんの『ラン』。家族を事故で亡くした夏目環。アルバイトをしながら、人とうまく関われないで、鬱々と毎日を過ごす。唯一交流のあった自転車屋・紺野さんから譲り受けた自転車・モナミ1号を走らせていたら、いつのまにかあの世に着いていた。家族との再会をかけがえのないものと思い、何度も通う環だった。しかし、モナミ1号には本当の持ち主がいて返さねばならず、40キロを自力で走って、あの世とこの世を行き来しなくてはならなくなる。走る練習を始めたのだが・・・

 夏休み中は貸出されていて、返却後金曜日まで貸出しがなかったので借りて読んでみた。てっきりハヤリの陸上小説と思っていたのだけれど、まったく違うファンタジーな内容。森さんはこの本を書くために、本当に自分でもフルマラソンを走ったのだそう。『一瞬の風になれ』を読んだ後より、俄然走りたくなるから不思議。短距離は、もちろん練習や努力もあるのだろうけれど、才能の差が歴然としすぎている感じがする。長距離なら、なんて甘いかしら。厭味ばばぁ・真知子との対決が面白いです。
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